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[Road to Iabc 1/5] 交易都市リューン - 技能レベルが示すもの

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 目次

 ◆ 前書き
 ◆ CardWirth シナリオ「交易都市リューン」
 ◆ 「技能レベル」は強さの証なのか
 ◆ いくつかの反証
 ◆ 第1章の終わりと「存在しないレベル帯」

 以下本文

 [Road to Iabc 1/5] 交易都市リューン - 技能レベルが示すもの

 本記事は、ある程度CardWirthを知っている方を対象に書いています。

 具体的にはシナリオを作ろうとした事があり、エディターを使って
 「交易都市リューン」の内部データを見た事がある方です。

 CardWirthの基本的なゲームシステムや、専門用語等はいちいち説明しません。
 長くなるので。



 ◆ 前書き

 2015年1月にスタートしたこのブログも今年で6年目になる。
 実は始めた時から書こうと思いながらも、まったく手をつけていない話がある。

 今回は、その話をしようと思う。

 "Road to Iron Arms Boxing Club"と題したこの話の主題は
 CardWirthのシナリオ「交易都市リューン」にあるスキルカード(技能カード)、
 その「スキルレベル(技能レベル)」に関する考察である。

 ・技能レベル1 [魔法の矢]
 ・技能レベル3 [蜘蛛の糸]
 ・技能レベル5 [魔法の鎧]
 ・技能レベル7 [炎の玉]

 各スキルカードに割り振られたこの数字を、多くのプレイヤーは
 「カードの強さを示すもの」だと捉えている。

 僕はこれに異論がある。

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 ◆ CardWirth シナリオ「交易都市リューン」

 CardWirthは1998年に公開されたフリーウェアゲームでジャンルはRPGだ。
 赤塚晋也、齋藤洋、倉貫義人の3人による製作チーム「groupAsk」によって作られた。

 カードゲームをモチーフとした「シナリオ追加型RPG」で、内部のシナリオフォルダに
 新しいシナリオを入れる事で”無限に遊べるゲーム”になるという特徴を持つ。

 それゆえ、ゲームをプレイする為の「エンジン」とシナリオを作成する為の
 「エディター」の2つのアプリケーションで構成されている。

 また、これに加えてスターターセットとも言えるサンプルシナリオが2本同梱されている。
 1つは「ゴブリンの洞窟」。これは俗に「冒険シナリオ」と呼ばれるタイプのシナリオで、
 洞窟に住みついたゴブリンを退治するというシンプルな短編作である。

 もう1つは「交易都市リューン」。
 今回の話の中心となるこちらのシナリオは、俗に「店シナリオ」と呼ばれる。
 スキルカード(技能カードとも呼ばれる)やアイテムカードが購入できるタイプのシナリオで、
 一般的なRPGでいうならば武器屋、あるいは道具屋といった所だろうか。

 同梱されているこの2本のシナリオは言わば「お手本」であり、
 プレイヤーがシナリオを作る際には非常に多く参照されている。

 ところが店シナリオである「交易都市リューン」には1つ大きな問題がある。

 エディターを使って販売されているカードの内部データを参照しても、
 何を基準にその数値が当てはめられているのか、まったくわからないのだ。

 計算式がなく、ただ答えとなる数字だけが並ぶその光景は、
 いざオリジナルカードを作ろうとしたプレイヤーを困惑させるものだった。

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 かくしてプレイヤーが製作する店シナリオにおける各種カード群は、
 プレイヤー各々が思う「たぶんこうなのだろう」という想像の元に作られていく事となる。

 今回の考察が注目するポイントは、スキルカードに設定されている
 「スキルレベル(技能レベルとも呼ばれる)」である。

 ダメージロール等はプレイヤーによるプログラム解析が進み、現在では計算式が判明している。
 しかし「スキルレベル」、これは特に論じられる事もなく、不明瞭なまま今日に至る。

 今年でCardWirh公開から実に23年が経つ。
 この「スキルレベル」とは何であるのか。
 スキルカードとは、何を考え、どのような手順で作製されるものなのか。
 それを解き明かそう。

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 ◆ 「技能レベル」は強さの証なのか

 前書きでも触れたが、各スキルカードに振られているスキルレベルは
 多くのプレイヤーにとって「カードの強さを示すもの」であると捉えられている。
 数字の小さなものは弱いカードで、大きなものは強いカードなのだと。

 これには4つの根拠がある。

 1. スキルカードの販売価格
 2. 冒険者レベルより数字の大きなスキルレベルを持つカードは使えない
 3. 下位スキルと上位スキルと呼べるカードの存在
 4. スキルレベル7のカードは実際に強い

 まず1つめの販売価格を見てみよう。

 ・スキルレベル1は、600sp
 ・スキルレベル3は、1000sp
 ・スキルレベル5は、1400sp
 ・スキルレベル7は、1800sp

 こうしたレートになっている。
 スキルレベルが上がるごとに価格も上がっていく事がわかる。

 ※ 盗賊ギルドにある[盗賊の手]のみスキルレベル3で1400spで販売されているが
   設定ミスの可能性も考えられる為、これは例外とする。

 次に2つめの、冒険者レベルより数字の大きなスキルレベルを持つカードは
 使えないについてだが、正確には”使う事はできる”。
 しかし、スキルの発動に失敗する確率が高かったり、使用回数が大幅に減ったり
 といったリスクがあるのだ。

 この2点だけで考えても、価格の安いスキルカードは弱く初心者向けで、
 価格の高いスキルカードは強く上級者向けであると捉えるのはごく自然な事だろう。

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 次に3つめの下位スキルと上位スキルについてだが
 「交易都市リューン」には、これを連想させるスキルカードが2組存在する。

 1組めは、スキルレベル1の[掌破]とスキルレベル3の[居合斬り]だ。

 この2枚はまったく同じタイプの効果を持つ敵単体用の攻撃スキルだが、スキルレベル1の
 [掌破]は ダメージが「全属性レベル比3, 神聖属性レベル比2」であるのに対して、
 スキルレベル3の[居合斬り]の方はダメージが「全属性レベル比5, 神聖属性レベル比3」
 となっている。

 スキルレベルが高いカードの方が与えるダメージが大きい。

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 2組めは、スキルレベル3の[薙ぎ倒し]とスキルレベル7の[烈梟刃]である。

 どちらも敵全体を攻撃するスキルで、この2枚もまた同じタイプの効果を持つカードだ。
 スキルレベル3の[薙ぎ倒し]はダメージが「全属性レベル比2」であるのに対して、
 スキルレベル7の[烈梟刃]はダメージが「全属性レベル比4」となっている。

 やはりスキルレベルが高いカードの方が与えるダメージが大きい事がわかる。

 こちらの場合は、仮にスキルレベル5の同タイプの全体攻撃スキルを作ろうとするならば、
 そのダメージは「全属性レベル比3」に設定すれば良いのではないかとも推測できる。

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 最後に4つめの、スキルレベル7のカードは実際に強いについて。

 「交易都市リューン」で販売されているスキルカード、
 その中でもっとも高いスキルレベルなのが スキルレベル7のカード群だ。

 このスキルレベル7のカードは強力な効果を持つものが多い。

 代表的なのは[双狼牙]と[炎の玉]だろう。
 この2枚のカードを大量に冒険者に持たせると、殺傷能力が
 飛躍的に上がる事でも有名なカードである。

 CardWirthのプレイヤーならば、とても倒せそうにない強い敵に敗北し
 ゲームオーバーになった際、この2枚のカードを大量に冒険者に持たせて再戦し、
 見事に勝利した経験が一度や二度(あるいはそれ以上)はあるだろう。

 そんな逆転劇を引き起こせる強力なカード、それがスキルレベル7のカードだ。

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 以上の4点を踏まえれば、スキルレベルとは「カードの強さを示すもの」であると
 捉える事になんの疑問もないだろう。

 ――ところが、話はこれでは終わらない。


 ◆ いくつかの反証

 スキルレベルとは「カードの強さを示すもの」である。
 そう捉えて「交易都市リューン」のスキルカードを眺めてみると、
 いくつかの疑問が浮かび上がってくる。

 ・ダメージが「レベル比5」で統一されるルールの存在
 ・スキルレベルに反して強力な効果を持つカードたち

 まずは、この2点に絞って説明しよう。


 ◇ ダメージが「レベル比5」で統一されるルールの存在

 先ほどスキルレベル1の[掌破]とスキルレベル3の[居合斬り]、
 及びスキルレベル3の[薙ぎ倒し]とスキルレベル7の[烈梟刃]を並べて
 スキルレベルが上がるにつれ、与えるダメージも上がると推測できると書いた。

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 ところがこれ、他のスキルカードは違うのだ。
 いくつかピックアップしてみよう。

 ・スキルレベル1 [魔法の矢]

 まずは魔術師(メイジ)の呪文である[魔法の矢]。敵単体用の攻撃スキルであり、
 与えるダメージは「全属性レベル比5, 魔力属性レベル比3」と設定されている。
 その威力はスキルレベル3の[居合斬り]と同等である。

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 ・スキルレベル3 [穿鋼の突き]

 こちらは敵単体用の攻撃スキル[穿鋼の突き]。剣士(フェンサー)の剣技である。
 同じく敵単体用の攻撃スキルで、命中率が非常に高いという特徴を持つ。
 与えるダメージは「全属性レベル比5」と設定されている。

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 ・スキルレベル5 [暗殺の一撃]

 こちらも敵単体用の攻撃スキル[暗殺の一撃]。暗殺者(アサシン)を連想するが、
 CardWirthでは盗賊(シーフ)スキルとなっている。命中率が非常に高い事に加え、
 カード使用中のターンでは術者の回避力に大幅なボーナスが付くという特徴を持つ。
 与えるダメージは「全属性レベル比5」と設定されている。

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 ・スキルレベル7 [双狼牙]

 先ほど例に上げた[双狼牙]は、戦士(ファイター)の剣技である。
 これも敵単体用の攻撃スキルで、その最大の特徴は「必ず命中する」攻撃である点だ。
 与えるダメージは「全属性10+全属性レベル比5」と設定されている。

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 いずれも敵単体用の攻撃スキルであるが、どのレベル帯であっても
 与えるダメージは基本的に「レベル比5」であり、それに加える形で
 なんらかの追加効果、あるいはボーナスが設定されている事がわかる。

 スキルレベル=カードの強さであるならば、与えるダメージは
 低レベルゆえにレベル比3であるとか、高レベルゆえにレベル比6といったように
 レベル帯ごとに数値が上下しないのはなぜなのか。


 ◇ スキルレベルに反して強力な効果を持つカードたち

 「交易都市リューン」のスキルカードは、
 プレイヤーの間では”リューンスキル”と呼ばれ親しまれている。

 このリューンスキル、”強すぎる”といった話がしばしば持ち上がる。
 この際によく例に上がるスキルカードたちは皆、スキルレベルに反した
 強力な効果を持っている。
 こちらもいくつかピックアップしてみよう。

 ・スキルレベル1 [眠りの雲]

 まずは、強いカードの代表格であるこのスキル。敵全体を10ターン眠らせる効果を持つ。

 弱点としては呪文であるため、バッドステータスである「沈黙」状態では発動できない。
 また、精神属性であるため心を持たない敵には効果がない。
 バッドステータス「眠り」は攻撃を受けると解除される性質を持つが、
 それでも一時的とはいえ行動不能にできるのだから強力である。

 実際の使い勝手の良さは、CardWirthプレイヤーならば、よく知るところだろう。

 通常、冒険者レベル1のソロプレイ(パーティが1人のみ)で「ゴブリンの洞窟」を
 クリアするのは至難の技であるが、このスキルがあれば可能となる。
 スキルレベル=カードの強さと考えた場合、これがスキルレベル1なのは不自然に思える。

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 ・スキルレベル1 [魔法の矢]

 先ほども例に上げた[魔法の矢]も強いカードだ。
 プレイ経験が浅いうちは、その強さを実感できないかもしれない。
 しかし、呪文ゆえに「沈黙」状態では発動できないという弱点以外に、
 これといった弱点を持たないオールラウンダーな攻撃呪文である。

  ※ CardWirthでは、魔法を無効化できる敵も作製できるのだが、
    リソースパックである「モンスター図鑑」の中に
    この特性を持つ敵がいないせいか、あまり目にする機会がない。

 その使い勝手の良さは、冒険者レベル10の冒険者であっても
 手放し難いほどである。

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 ・スキルレベル1 [癒身の法]

 強力なスキルカードという話題ではあまり触れられないが、
 [癒身の法]はリューンスキルの中でもトップクラスに強いカードだ。
 司祭(プリースト)の呪文であり、その効果は味方1人のライフを回復するというものだ。

 ライフ回復スキルというのは、RPGにおいて非常に重要な意味を持つ。
 ライフ量を増やせる。それはつまり、あればその分”装甲が硬くなる”ためだ。

 不思議な事に「交易都市リューン」にあるライフ回復スキルは
 [癒身の法]、この1枚しかない。

 ※ 正確にはスキルレベル7の[水精召喚]があるのだが、戦闘中は召喚獣の行動を
   プレイヤーはコントロールできないという特徴があるため、メインスキルとしては
   使い勝手が悪い。ゆえに、事実上の選択肢は1つであるといえる。

 「交易都市リューン」には、ライフ回復アイテムである[コカの葉]と[傷薬]も
 存在するが、[癒身の法]に比べると回復量が少ない。
 そのため、冒険者レベルが上がり最大ライフ値も上がると、回復量が追い付かなくなる。

 ところが、この[癒身の法]の回復量は「肉体属性レベル比5」である。
 これはすなわち、術者の冒険者レベルの上昇とともに回復量も増える事を意味する。

 冒険者レベル10の冒険者であっても重要な価値を持ち続けるこのカード、
 そのスキルレベルは1である。

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 ・スキルレベル1 [亡者退散]

 司祭(プリースト)の呪文である[亡者退散]は、俗にいう”ターンアンデッド”だ。
 CardWirthでは、ゴーストのような実体を持たないモンスターは強敵と設定されている。

 なにせ基本攻撃となるアクションカードによる攻撃が一切通じない。
 物理攻撃を無効化する特性を持っているためだ。

 CardWirthには”エンチャントウエポン”に相当する呪文がないため、
 ゴーストタイプには魔力を持ったスキルカード、もしくは同じく
 魔力を持ったアイテムカードで対処するしか手がない。

 ※ エンチャントウエポンとは、物理攻撃しかできない武器に一時的に
   魔力を持たせ、特殊な敵に対しても攻撃が通るようにする呪文である。

 ゴーストの群れというのは、冒険者レベルがまだ低いうちは、
 なるべく相手にしたくない難敵といえるだろう。

 [亡者退散]は、そうした特殊な敵を一網打尽にできる必殺技とも言えるスキルだ。
 アンデッド以外にはまったく効果がないとはいえ、スキルレベル=カードの強さと
 考えた場合、このカードはスキルレベル3、もしくはスキルレベル5くらいあっても
 良さそうに思える。

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 ・スキルレベル3 [居合斬り]

 何度か例に出してきた[居合斬り]だが、実はこのスキルは
 「交易都市リューン」における”最強”のスキルカードである。
 何がそんなに強いのかというと、このスキルには「弱点がない」。

 通常、スキルカードには弱点が設定されている。

 呪文であるため「沈黙」状態では使えないだとか、物理攻撃であるために
 実体を持たない敵には効果がないであるとか、炎に耐性のある敵には
 効果がないであるといった具合にだ。

 ところがこの[居合斬り]には、そうした弱点がない。

 この特徴に製作者が気付いていないはずがない。
 意図的に、そう設定してあるのだ。
 スキルレベル3にして、これほどまでに強力なカードが、なぜ存在するのか。

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 ・スキルレベル5 [縛鎖の法]

 CardWirth黎明期から、強力なカードとして名をはせたのが、この[縛鎖の法]だ。
 司祭(プリースト)の呪文であるこのスキルの効果は、
 敵一体を「麻痺」させ行動不能におとしいれるというものだ。

 「麻痺」はターンがかさむと自動で解除されるのだが、CardWirthでは、
 例えば敵が一体しかいなかった場合、その敵が「麻痺」すると戦闘は
 そこで終了するというルールがある。

 [縛鎖の法]はカードの解説文にあるとおり、まさに一撃必殺のスキルである。
 そのため、(特に黎明期の)プレイヤー製シナリオでは、
 「麻痺」は”キーコード発火”で問答無用に無効化するという荒技が流行した
 (主にボス戦の際にはである)。

 その結果[縛鎖の法]は、ザコ戦なら使えるがボス戦では使えない、
 扱い辛い”お荷物スキル”となった。

 なんとも不遇なスキルであるが、こうした逸話は[縛鎖の法]が
 それだけ強力なカードであるという事の証明といえるだろう。

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 ・スキルレベル5 [魔法の鎧]

 [魔法の鎧]は、10ターンの間、味方全体の防御力を大幅に引き上げる効果を持つ。
 意外(?)な事に魔術師(メイジ)の呪文である。

 いわゆるバフ技であるこのスキルは、持っているのといないのでは、
 シナリオの難度が変わるといわれるほどに強力だ。

 そのためプレイヤーの中には、[魔法の鎧]はシナリオが簡単になるから
 使いたくないと言い出すものまで出てくるあり様である。

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 反証として、いくつかの事例を上げてみたわけだが、どうだろうか。

 スキルレベルとは、本当にカードの強さを示すものなのだろうか。


 ◆ 第1章の終わりと「存在しないレベル帯」

 さて、ここまでは序章であり、状況の確認にすぎない。

 CardWairthを長く遊んできたものたちにとっては、知っている事しか書いていない。
 読み飛ばしてもらっても構わないのだが、本記事は考察をうたっているため
 前提の整理は必要であると考え、駆け足でまとめてみた次第である。

 本題は次の章から始まるわけだが、その前にひとつ質問をしてみたいと思う。

 「交易都市リューン」のスキルカードには、ある特徴がある。

 ”存在しないスキルレベル帯”があるのだ。
 すなわち、スキルレベル2、スキルレベル4、スキルレベル6のカードである。

 これは、なぜか。

 偶然などではなく、これらは意図的にはぶいてあるのだ。

 この点については、過去にも疑問に思ったプレイヤーが何人もいたが、
 誰もはっきりした答えを持たなかった。

 僕は、これに答えられる。


 ――というところで、次回に続く!


 > 次章 [Road to Iabc 2/5] 交易都市リューン - 優先順位と配布率 1
 https://route87hig.exblog.jp/32246999/


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by route87highscore | 2021-04-22 22:22 | テーマ from | Comments(0)


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